会期:2022年10月29日(土)〜2023年3月31日(金)
第一回目の企画展として鶴見区在住の原倫太郎と原游の展覧会を開催いたしました。インスタレーション作家の原倫太郎は、ジャン・ティンゲリーやアレクサンダー・カルダーなどに代表されるキネティックアートを根底とし、大型で動力の伴った作品を制作しています。画家の原游は、油絵を中心に画布・木枠・色層などの絵画のコードをテーマにした絵画を制作しています。近年では、原倫太郎+原游名義で「瀬戸内芸術祭」や「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」などの国際芸術祭を中心に、参加者体験型の作品を多く発表して来ました。今回の展覧会で原倫太郎は、広告の用途で使用されている街にあふれる幟の一部分を拡大することで広告の意味合いを排除し、抽象化されたグラフィックとしてのレリーフ、「Flag」シリーズを中心に展開し、また近年の代表作である実際にプレイできる卓球台の新作も制作いたしました。天板には、原倫太郎の祖父である画家・絵本作家の油野誠一(鶴見区東寺尾で活動)が生前仕事で使用していた作業板を使用しています。また原游は、ディズニーアニメ『101匹わんちゃん』からインスパイアされた「Dropping」シリーズを中心に展開しました。これは全101枚を制作するプロジェクトで、この展覧会ではNo.1〜5までを展示し、今後も継続して制作を続けます。2人の作家がそれぞれ制作した新作15作品からなる展覧会は、鶴見小野の街にアートのカケラ残せたのではないでしょうか。
原倫太郎+原游のプロフィール
インスタレーション作家の原倫太郎(1973年神奈川県生まれ、2000年Sandberg Institute修了)と、画家の原游(1976年東京都生まれ、2001年東京藝術大学大学院美術学部美術科油画専攻修士課程修了)によるアーティスト・ユニット。個々の活動に加え、ユニットでの活動では観客参加の大型体験作品を多く制作している。主な展覧会に2012、2015年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟)、2017、2021年「北アルプス国際芸術祭」(長野)、2019年、2022年「瀬戸内国際芸術祭」(香川)、「北越雪譜アドベンチャー」越後妻有里山現代美術館 MonET(新潟)、「越後妻有 大地の芸術祭 2022」(新潟)など。2008年には絵本『匂いをかがれるかぐや姫~日本昔話Remix~』が「文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門において奨励賞を受賞。
アーティストwebsite: https://hfj-ami.jp/